求人に書かれている月給制と年俸制って何が違うんだろう?
どっちがいいんだろう?
こんな疑問に答えます。
- 月給制と年俸制の違い
- 月給制と年俸制のメリット・デメリット
【プロフィール】
- 作業療法士 (現役)
- 転職を通じ作業療法士のあらゆる「リアル」を経験
- 迷える作業療法士に有益な情報を発信
月給制
月給制とは、月に支払われる給与があらかじめ定められている給与体系のことです。
- 月に支払われる給与があらかじめ決まっている
- 欠勤や遅刻・早退をしたときの控除方法は企業により異なる
- 給与の控除方法により3種類に分けられる
- 有給休暇・残業は適用
月に支払われる給与があらかじめ決められており、有給休暇・残業は適用されます。
控除方法の違いにより、以下の3種類に分けられます。
- 日給月給制
- 月給日給制
- 完全月給制
※労働法では明確に定義されていないため、企業により表現・内容は異なることがあります。
詳しく見ていきましょう。
日給月給制
日給月給制とは、月に支払われる給与があらかじめ決まっており、欠勤や遅刻・早退をした場合その分が控除される給与体系のことです。
控除の対象は基本給の他、各種手当も含まれます。
簡単に言えば、「働かなかった分だけ給料が減る」ということです。
月給日給制
月給日給制とは、月に支払われる給与が決まっており、欠勤や遅刻・早退をした場合その分が控除されるが、手当は控除の対象にはならない給与体系のことです。
日給月給制との違いは、「手当分は控除されない」という点です。
完全月給制
完全月給制とは、 月に支払われる給与が決まっており、欠勤や遅刻・早退をしてもその分は控除されない給与体系のことです。
どれだけ休んでも、月の給料が減ることはないということです。
有給休暇は控除の対象にはならない
日給月給制・月給日給制・完全月給制は、いずれも有給休暇は控除の対象にはなりません。
有給休暇は労働基準法でも定められている通り、労働者に与えられた権利だからです。
「有給」の名の通り、使用したからといって給料が減額されることはありません。
年俸制
年俸制とは、1年間で支払われる給与の総額があらかじめ定められている給与体系のことです。
※年俸 = 1年単位で支払われる報酬
- 1年間の給与が決まっている
- 年俸の決め方は職場により異なる
- 年俸にはボーナス分の額も含まれている
- 1ヵ月単位で分割して支払われる
- 分割の割合は企業により異なる
- 有給休暇は適用
- 固定残業制(みなし残業)の場合、年俸に残業代も含まれる
月給制は月の給与があらかじめ決められているのに対し、年俸制は年の給与があらかじめ決められています。
年俸の決め方は職場により異なり、前年度の実績や規定のルール・計算にて算出されます。
給与の支払われ方
年俸制では、労働基準法により「賃金は毎月1回以上、一定期日を定めて支払わなければならない」とされています。
分割の割合は職場により異なり、同様にボーナスの有無も異なります。
以下に年俸300万円と仮定した例を挙げてみます。
年俸300万円を12分割した場合、月に支払われる給与は25万円。
ボーナスは無し。
年俸300万円を16分割した場合、月に支払われる給与は18万7千5百円。
残りの75万円を2ヵ月分のボーナス(37万5千円)として年2回支給。
有給休暇は適用されます。
固定残業制 (みなし残業) の場合、年俸に残業代が含まれる
固定残業制 (みなし残業) とは、月々の基本給や年俸などに残業代があらかじめ含まれているというものです。
ある意味で、残業が前提ということになります。
ブラックな職場の悪用に注意!
固定残業制 (みなし残業)で注意してほしいのは、残業時間に関わらず残業代が支給されるということです。
あらかじめ残業代が決まっている分、残業をさせやすい環境になっています。
この制度を利用し、異常なまでの残業を強いるブラックな職場は存在します。
ブラックな職場を求人から見分ける方法が気になる方は、こちらの記事を読んでみてください。
月給制と年俸制のメリット・デメリット
月給制と年俸制のメリット・デメリットを比較してみましょう。
月給制のメリット・デメリット
メリット
- 毎月の給与が安定
完全月給制を除き、欠勤をしない限り毎月の給与が安定しているため安心できます。
- 年間の給与総額が安定
長期の欠勤をしない限り、基本的に年間の給与総額は増えることはあっても減ることはありません。
- 直近の実績が賞与に反映
直近の実績が反映され、賞与額が増えることがあります。
- 会社の業績次第では臨時ボーナスが出る場合がある
会社の業績次第で思わぬ臨時ボーナスがもらえるかもしれません。
デメリット
- 昇給額が少ない
毎年の昇給額は数百円~数千円程度に留まることが多いです。
- 完全月給制を除き欠勤すると減給される
基本的に欠勤するとその分の給与は減額となります。
減額を防ぐには、欠勤日に有給休暇を使用するなど工夫が必要です。
年俸制のメリット・デメリット
メリット
- 年間の給与の見通しが立つ
年間の給与総額が決められているため、大きな買い物などの長期的な計画が立てやすいです。
- 実績により大幅に昇給する場合がある
成果主義の職場の場合、あなたの実績が認められて大幅な昇給が見込めるかもしれません。
- 仕事のモチベーションが上がる
頑張った分だけ褒美があると考えると、モチベーションが上がります。
デメリット
- 実績が無ければ給与が減額する場合がある
よい成果を出せなかった場合、次の年度の給与が減額する可能性があります。
よい成果を出せたとしても、給与に反映されるのは次の年度からになります。
- 給与が減額されるとプレッシャーを感じる
成果を出せず給与が減額した場合、「何か成果を出さないと…」と大きなプレッシャーになります。
プレッシャーが強すぎるとモチベーションの低下につながるかもしれません。
- 残業額は一定
固定残業制 (みなし残業) の場合、残業代が収入にあらかじめ含まれているため、多く残業しても貰える額は基本的に変わりません。
まとめ
月給制・年俸制の違いと両者のメリット・デメリットを解説しました。
どちらが良い・悪いというものではありません。
あなたのワークライフバランスや、何にモチベーションを感じるかなどを考慮し、納得のできる方を選択しましょう。