今の職場が自分に合わなくて、ストレスばかりがたまる…
でも転職ってどうなんだろう…?
作業療法士1年目だけど、転職しても大丈夫なのかな…?
こんな疑問に答えます。
- 作業療法士が恐れず転職すべき5つの理由
- 作業療法士が転職を考えるリアルな理由
- 転職する際に必要な考え方
【プロフィール】
- 作業療法士 (現役)
- 転職を通じ作業療法士のあらゆる「リアル」を経験
- 迷える作業療法士に有益な情報を発信。
作業療法士が恐れず転職をすべき5つの理由
作業療法士が恐れず転職すべき理由は以下の5つです。
- 作業療法士の領域は幅広い
- 自分に合う分野は経験しなければ分からない
- 作業療法士は“かなり”転職しやすい
- 経験が浅くても問題ない
- 不快な職場を快適な職場に変えることは困難
詳しく見ていきましょう。
1. 作業療法士の領域は幅広い
以下の表を見てみましょう。
時期 | 急性期作業療法 ・ 回復期作業療法 ・ 生活期作業療法 |
領域 | 身体障害 ・ 精神障害 ・ 老年期障害 ・ 発達障害 |
職場 (医療施設) | 一般病院・大学病院・リハビリテーション病院・精神科病院 |
職場 (介護・その他) | 介護老人保健施設・特別養護老人ホーム・デイサービス・発達支援センター …etc |
表から分かるように、作業療法士の働く領域・職場はとても幅広いですね。
ということは、転職の幅も同様に広いということです。
「今」の領域・職場が合わないだけで、「他」の領域・職場ならあなたの理想に近いということも十分にありますよ!
2. 自分に合う分野は経験しなければ分からない
作業療法士に限った話ではありませんが、どの領域・職場があなたに合うかは経験しなければ分かりません。
領域ごと、さらには職場ごとに思想や働き方には特色があります。
人間も同様に、性格や得意・不得意は1人1人異なります。
だからこそ、まずは経験してみることが大切です。
次の項目でも述べますが、仮に経験してみて合わなかったとしても、作業療法士は“かなり”転職しやすいのでご安心を!
3. 作業療法士は“かなり”転職しやすい
作業療法士が転職しやすい理由は以下の3つです。
- 高齢化に伴い作業療法士の需要が高い
- 将来的にも高齢化は止まらない
- 職場によっては人手が不足している
詳しく見ていきましょう。
高齢化に伴い作業療法士の需要が高い
総務省統計局によると、令和3年7月1日現在の人口推計は以下の表の通りです。
日本の総人口:1億2568万2千人 | ||
年齢 | 人口 | 総人口に占める割合 |
15歳未満 | 1484万9千人 | 11.8% |
15~64歳 | 7465万8千人 | 59.4% |
65歳以上 | 3617万5千人 | 28.8% |
引用元:総務省統計局
日本の総人口に対し65歳以上の人口は28.8%と、3割近くを占めています。
65歳以上の高齢者は病気やケガ・認知症などにより、身体機能・精神機能の低下および生活への支障をきたしやすい状態です。
リハビリの専門家である作業療法士は大いに活躍できますよ!
将来的にも高齢化は止まらない
厚生労働省によると、今後の高齢者人口の見通しは以下の通りです。
2012年8月 | 2015年 | 2025年 | 2055年 | |
65歳以上高齢者人口(割合) | 3,058万人(24.0%) | 3,395万人(26.8%) | 3,657万人(30.3%) | 3,626万人(39.4%) |
75歳以上高齢者人口(割合) | 1,511万人(11.8%) | 1,646万人(13.0%) | 2,179万人(18.1%) | 2,401万人(26.1%) |
引用元:厚生労働省
将来的に見ても、高齢化は止まらないと予測されています。
つまり、作業療法士の需要はなくならないということです!
職場によっては人手が不足している
日本作業療法士協会によると、領域別会員数は以下の通りです。
領域施設分類 | 会員数 | 総会員数に占める割合 |
医療法関連施設 | 35,639人 | 59.0% |
老人福祉法関連施設 | 2,249人 | 3.7% |
介護保険法関連施設 | 5,935人 | 9.8% |
児童福祉法関連施設 | 1,082人 | 1.8% |
引用元:日本作業療法士協会
医療法関連施設に比べると、老人福祉法関連施設・ 介護保険法関連施設・ 児童福祉法関連施設は人手が不足しています。
これだけ人手不足であれば、あなたが転職に困ることはまずないでしょうね!
4. 経験が浅くても問題ない
その領域が未経験だったり、1年目など経験が浅くても問題ありません。
作業療法士の求人を見れば分かると思いますが、「未経験OK」や「ブランクOK」といった求人は山ほどあるからです。
採用する側も、リハビリの領域は幅が広いということを十分に理解しています。
作業療法士の転職に限っては、受け入れる人員の幅が広いんです。
他領域から転職してきたり、浅い経験年数で転職してきた作業療法士は過去に何人も見ましたが、指導のもと着実にスキルを身に着けていますよ!
5. 不快な職場を快適な職場に変えることは困難
これは、あなたが今の職場に不満やストレスを抱えている場合の話です。
正直に言うと、不満がありストレスを感じるような職場をあなた1人の力で変えることはできません。
人間同士に相性があるように、人間と職場にも相性があるからです。
あなたにとっては不快な職場でも、第三者にとっては快適な職場でもあります。
だからこそ、「転職」は今の環境を抜け出すのに最適な手段です。
今の職場の改善に数年かけるよりも、快適な職場への転職に数日かけた方が楽ですよ!
転職活動をしてから辞めるか、辞めてから転職活動をするかで悩む方はこちらの記事をご覧ください。
作業療法士が転職を考えるリアルな理由
作業療法士が転職を考える理由は、大きく分けて以下の5つです。
- スキルアップ
- ライフイベント
- 労働条件
- 職場の環境
- 仕事内容
詳しく見ていきましょう。
1. スキルアップ
先述したように、作業療法士が働く領域・職場はとても幅広いです。
急性期を経験したから、今度は回復期にも挑戦してみたいな!
身体領域のセラピストとして勤めてるけど、精神科にも興味がわいてきたわ!
このように、スキルアップを目的に転職をする作業療法士はとても多いです。
2. ライフイベント
結婚や妊娠・出産などのライフイベントにより生活に変化が訪れた場合に転職を考える方は多いです。
作業療法士協会によると、2019年の作業療法士の男女比は男性38.4%に対し女性は61.6%と半分以上を占めています。
女性の場合、結婚後に妊娠・出産を機に離職し、育児休暇を経て別の職場に転職する方も多くいます。
3. 労働条件
労働条件については、主に以下の3つの要因があります。
- 給料が安い
- 残業が多い
- 休みが少ない
給料が安い
作業療法士の給与は職場により異なります。
昇給しても1,000円~1,500円程度とかなり少ない傾向にあります。
3年目など経験が浅い場合、年収は300万円程度が一般的です。
結構激務なのに手取り20万円もないぞ…
このような作業療法士は転職したくなりますね。
残業が多い
作業療法士の仕事は時間で厳密に区切られています。
昼休憩を除き、カルテ記載やその他業務は残業として行う職場が多いです。
人手不足などで1日に診る患者が多いと、その分だけ記録の量も多くなります。
必然的に残業も多くなるというわけです。
休みが少ない
職場により異なりますが、一般的な作業療法士の年間休日は104日~110日前後です。
少ないところだと、年間100日程度しか休みがない職場もあります。
休日が少ないから友人との予定が合わない…
やりたいことが十分にできないわ…
まるで休んだ気がしない…
このような状態が続くと、転職を考えたくなりますね。
4. 職場の環境
職場の環境については、以下のような要因があります。
- 人間関係が悪い
- 教育体制が悪い
- 勉強会が多すぎる
- 飲み会など業務外の行事が多い
人間関係が悪い
どの職場にも「嫌な人」はいるものです。
作業療法士が関わるであろう「嫌な人」は具体的には以下のような人です。
- 自分のミスを棚に上げ、他人のミスを責める人
- 自分 (あなた) だけに高圧的な人
- ちゃんとカルテを書かない人
- 知識でマウントを取ろうとする人
- 新人に厳しすぎる人
- 自分の主張を絶対に曲げない人
- 嫌がらせをする人
- 人の悪口ばかりを言う人
…etc
こんな人、あなたの周りにもいませんか?
人間関係は職場におけるストレスの大半を占めます。
教育体制が悪い
教育体制が悪い職場には以下の2つの特徴があります。
- 作業療法士が少なすぎる
- 作業療法士の人数は多いが、大半が若手
【作業療法士が少なすぎる】
作業療法士が少ないということは、知識や技術について聞く相手が少ないということです。
相談することもできず、スキルアップできないという事態につながります。
【作業療法士は多いが、大半が若手】
大きなリハビリテーション病院にありがちなパターンです。
毎年入職する新人の人数が多く、1人1人に教育の手が回りにくくなります。
そのため、2~3年目の作業療法士を教育係にします。
しかし、経験が浅いためあまり良い教育が受けられないことがあります。
勉強会が多すぎる
残業という形で業務後の勉強会が異常に多い職場です。
患者を相手にする以上、知識や技術は大切です。
しかし、それであなたの貴重な時間が犠牲になっていいはずがありません。
飲み会など業務外の行事が多い
飲み会やその他行事が多すぎる職場があります。
業務後や休日に行われ、半強制的に参加させられることもあります。
プライベートを大事にしたい方には辛いですね。
5. 仕事内容
仕事内容については、以下のような要因があります。
- 理想とするリハビリができない
- おもしろみを感じられない
理想とするリハビリができない
作業療法と理学療法がどちらも同じことをしている…
もっと生活面がみたいのにストレッチばっかり…
このように、理想と現実のギャップでモチベーションが上がらないことがあります。
おもしろみを感じられない
あまり変化がなくておもしろくないな…
毎日同じようなことの繰り返しだな…
作業療法士の仕事は領域により特色があります。
領域や職場の特色が自分に合わず、おもしろみを感じられないこともあります。
転職するなら「何を改善したいのか」を明確に!
作業療法士として転職をするのであれば、「何を改善したいのか」という点は明確にしておきましょう。
たとえば、以下のように。
- 給料が安い
- 残業が多い
- 休日が少ない
- 教育体制が悪い
- 給料が今よりも高い職場を探す
- 残業が少ない職場を探す
- 休日の多い職場を探す
- 教育体制が整った職場を探す
これを意識すれば、納得のいく職場に近づけますよ!
作業療法士の転職には、転職エージェントが効率的
作業療法士の転職には、転職エージェントを利用するのが効率的です。
利用は完全無料で追加費用も一切かからないのに、以下のようなメリットがあるからです。
- あなたの理想の条件の求人を紹介してくれる
- 非公開求人がたくさんある
- スタッフは職場の内部事情に詳しい
- 評判の悪い求人は紹介しないため、転職失敗のリスクを避けられる
- 質問があれば職場に問い合わせてくれる
- 給与の交渉もしてくれる
私も転職エージェントを利用して転職したうちの1人です。
利用したことがない方にとっては、どのような感じなのかと不安な気持ちがあるのも分かります。
私もそうでした。
しかし、転職した今となってはお世辞抜きに「あの時利用してよかった」と感じています。
少しでも興味がある方は検討してみてください。
まとめ
- 作業療法士の領域は幅広い
- 自分に合う分野は経験しなければ分からない
- 作業療法士は“かなり”転職しやすい
- 経験が浅くても問題ない
- 不快な職場を快適な職場に変えることは困難
以上の理由により、作業療法士は迷わず転職すべきであると言えます。
何も焦って転職先を探す必要はありません。
コーヒーでも飲みながら、リラックスしてゆっくり考えてみましょう。