【1年目】新人の作業療法士にありがちな5つの悩みと、その対処法を解説!

新人のOTはどんな悩みを抱えることが多いのかな?

OTとして悩みがあるけど、私だけなのかな?

どんな対処をしたらいいんだろう?

こんな疑問に答えます。

新人の作業療法士特有の悩みは必ずあります。

あなた以外にも、同じ悩みを抱えた方がいるかもしれません。

新人の作業療法士にありがちな悩みと、その対処法を見ていきましょう。

本記事の内容
  • 新人の作業療法士にありがちな5つの悩み
  • 各悩みの対処法
この記事を書いた人
ゆるり

【プロフィール】

  • 作業療法士 (現役)
  • 転職を通じ作業療法士のあらゆる「リアル」を経験
  • 迷える作業療法士に有益な情報を発信

新人の作業療法士にありがちな悩みは、以下の5つです。

新人の作業療法士にありがちな悩み
  1. 職場の人間関係
  2. 教育体制が整ってない・知識や技術が身につかない
  3. 業務が覚えられない
  4. 患者とのラポール形成ができない
  5. 理想とする作業療法ができない

対処法も含め、詳しく見ていきましょう。

目次

1. 職場の人間関係

職場での人間関係の悩みはかなり多いです。

具体的には、以下のような人間関係で悩みます。

  • 先輩との人間関係
  • 同期との人間関係

先輩との人間関係

例えば・・・

  • 高圧的な先輩
  • ウザい先輩
  • 嫌味を言う先輩
  • 飲み会や遊びの誘いがしつこい先輩

…etc

さまざまな先輩がいます。

高圧的・ウザい・嫌味

いつも高圧的な指導をしてきたり、意味不明な「いじり」をされたり、ミスに対して嫌味を言われると心が痛みますね。

飲み会や遊びの誘いがしつこい

飲み会や遊びの誘いがしつこいと、せっかくの休日がもったいなく感じてしまいます。

仕事とプライベートは分けたいという方にとっては地獄ですね。

同期との人間関係

例えば・・・

  • 性格やノリが合わない
  • 陰口を言ってくる
  • 一方的にライバル視してくる
  • 知識や技術でマウントをとってくる

…etc

さまざまな同期がいます。

性格やノリが合わない・陰口を言ってくる

新人の場合、リハビリテーション病院などのセラピストの多い職場では、仲の良い者同士でグループができます。

良い意味でも悪い意味でも、謎の絆が芽生えます。

この絆が悪い方向に向かうと、他グループやグループに属していない人間の陰口につながります。

「学生じゃないんだから…」と思いますよね。

しかし、学生気分がどうしても抜けない新人というのは、結構いたりします。

一方的にライバル視してくる・知識や技術でマウントをとってくる

競うつもりなんかないのにも関わらず、一方的にライバル視されることがあります。

覚えたての知識や技術を持ち出して、マウントを取ってきます。

要は、「俺はお前よりも凄いんだぞ」と言いたいわけです。

自分のペースで学んでいきたい方にとっては、めんどくさい相手ですね。

「他人と比較する」って、正直とてもくだらない思考だと断言します。

「他人と比較することでしか自分を肯定できない」ってちょっとかわいそうだと感じます。

職場の人間関係の対処法

以下の4つの対処法が効果的です。

  • 物理的に距離を置く
  • やむを得ない場合は仕事と思って割り切る
  • 気の合う人と仲良くする
  • 上司に相談する

物理的に距離を置く

結論から言うと、「物理的に距離を置く」が最も効果的です。

言い返したりして同じ土俵に立つ必要はありません。

相手はあなたが反応してくれるから近づいてくるのであって、反応しない・反応できない距離間でいれば問題ないわけです。

何か言われても2・3歩引いた位置から温かい目で見守ってあげましょう。

やむを得ない場合は仕事と思って割り切る

例えば苦手な先輩が指導係だった場合など、やむを得ない場合は関わっている時だけ仕事と思って割り切りましょう。

同じ職場で働いている以上、顔を合わせることは避けられません。

仕事に関係することなど、必要最低限は心を無にして関り、それ以外は距離を置きましょう。

反面教師にするのも良いですね。

気の合う人と仲良くする

あなたにも嫌いな人間の1人や2人はいるように、あなたのことが嫌いな人間も必ずいるものです。

同様に、あなたのことを好いてくれる人間も必ずいます。

気の合う同期と仲良くしていけば、いずれ互いによき理解者になれるかもしれません。

上司に相談する

嫌がらせや陰口など、あまりにも害悪な場合は迷わず上司に相談しましょう。

このようなストレスが続くと、あなたの健康面にも害が及びます。

相談するだけでも気が楽になりますよ。

2. 教育体制が整ってない・知識や技術が身につかない

教育体制が悪い職場には以下の2つの特徴があります。

  • 作業療法士が少なすぎる
  • 作業療法士の人数は多いが、大半が若手

作業療法士が少なすぎる

作業療法士が少ないということは、知識や技術について聞く相手が少ないということです。

相談することもできず、スキルアップできないという事態につながります。

作業療法士は多いが、大半が若手

大きなリハビリテーション病院にありがちなパターンです。

毎年入職する新人の人数が多く、1人1人に教育の手が回りにくくなります。

そのため、2~3年目の作業療法士を教育係にします。

しかし、経験が浅いためあまり良い教育が受けられないことがあります。


教育体制が整ってない・知識や技術が身につかない時の対処法

以下の2つの対処法が効果的です。

  • 勉強会に参加する
  • ポイントを絞って勉強する

勉強会に参加する

職場内で教わることができないのであれば、外部の勉強会に参加しましょう。

勉強会は全国いたるところで行われています。

新人の場合、いざ介入しても分からないことだらけなのは当たり前です。

勉強するとしないのとでは差は出てきますが、日を重ねるごとにできることは自然と増えていきます。

焦る必要はありません。

ポイントを絞って勉強する

ポイントを絞って勉強するのが効果的です。

一度にすべてを分かろうとすると、その範囲の広さに絶望してしまうからです。

例えば「介入した患者の肩が上がらない」場合、ポイントを「肩」さらには「肩の運動学」さらには「肩の解剖学」にまで絞るなど、ポイントごとに勉強してみましょう。

実際は疾患や姿勢など様々な要因がありますが、まずはコツコツと積み重ねることが大事です。

3. 業務が覚えられない

作業療法士として働いていると、リハビリ以外にもたくさんの業務があります。

書類を作成する手順・提出先・提出期限などなど。

職場により異なりますが、その業務の量は数えきれません。

特にルールや規則で厳格化している職場では、業務を完璧に覚えるのは大変です。

大体の職場には業務マニュアルが完備されていますが、情報が古いまま更新されていないなど、マニュアルとしての機能を果たしていないこともありました。

業務が覚えられない時の対処法

結論から言うと、「メモを取る」これに尽きます。

機能しているマニュアルがある場合は、一度やったことのあるものから順にメモを取り、いつでも見返せるようにしましょう。

マニュアルが役に立たない場合は、頻度の高い業務順に同期や先輩に聞き、メモを取りましょう。

一度聞いたことを完璧に覚えられるような超人はそうそういません。

メモをコツコツ重ねて、ゆっくり覚えていけば大丈夫です。

4. 患者とのラポール形成ができない

新人に限った話ではありませんが、患者とのラポール形成で悩む新人は多くいます。

中でもよくあるのが、患者のリハビリ拒否です。

拒否にもさまざまな理由があります。

新人の場合、1介入でもいっぱいいっぱいなのにも関わらず拒否をされるとなると、どうしたら良いのか分からなくなります。

患者とのラポール形成ができない時の対処法

以下の3つの対処法が効果的です。

  • 患者の話を聞く・受容する
  • 先輩に相談する
  • どうあがいても拒否する患者は必ずいると知っておく

患者の話を聞く・受容する

受容とは、相手の言葉を自身の価値観で否定したりせず、ありのまま受け止めるということです。

まずは患者の話を聞き、受容することが大切です。

今まで動いていた手が動かないなど、患者にも悩みがあるからです。

障害受容ができない患者は珍しくありません。

セラピストとして、限られた時間内で効率よく評価や治療を進めていきたい気持ちは分かります。

しかし、患者あってのリハビリなので、まずは「話を聞く」ということを目的とした時間を作っても良いでしょう。

先輩に相談する

拒否がひどい場合には、先輩に相談しましょう。

患者の中には、セラピストの性格や経験年数などで人を選ぶ方もいらっしゃいます。

セラピストAは拒否されたけど、セラピストBは拒否されないなんてことはよくあります。

拒否されないスタッフに介入してもらい、情報を共有するのも1つの手です。

どうあがいても拒否する患者は必ずいると知っておく

どうあがいても拒否する患者は必ずいるということを頭の片隅に入れておきましょう。

どれだけ凄腕のセラピストでも、拒否される時は拒否されるからです。

「家に帰る」の一点張りなんてことも本当によくあります。

セラピストとして改善できる点は改善すべきですが、どうにもできない患者もいるということは知っておきましょう。

5. 理想とする作業療法ができない

具体的には、以下のような例が挙げられます。

  • PTとOTのやってることに違いがない
  • 生活をみたいのに機能訓練ばかり
  • 機能訓練の腕を上げたいのに生活ばかり
  • 職場が手技にこだわり過ぎている

…etc

職場の方針・働き方は、入職してみないと分からないことが多いです。

理想と大きくかけ離れていると、モチベーションの低下にもつながりますね。

理想とする作業療法ができない時の対処法

結論から言うと、「転職する」これに尽きます。

職場の方針・働き方については、あなた1人の意思で変えることはできないからです。

え?新人でも転職できるの?

はい、新人でも問題なく転職できます。むしろ作業療法士は“かなり”転職しやすい職種です。

これには以下のような根拠があります。

  • 高齢化に伴い作業療法士の需要が高い
  • 将来的にも高齢化は止まらない
  • 職場によっては人手が不足している

詳細はこちらの記事をご覧ください。

転職すると決めた場合、「転職活動をしてから辞める」・「辞めてから転職活動をする」この2つで悩むと思います。

そんな方には、以下の記事が参考になりますよ。

まとめ

新人の作業療法士にありがちな5つの悩みと、その対処法について解説しました。

私も新人の頃は悩みだらけ・できないことだらけでした。

今の私が過去の自分に伝えたいのは、「焦る必要はないよ」ということ。

できることからコツコツとやってみましょう。

スキルなんてものは、案外自然と身についていくこともありますよ。

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